近刊『動中静有の人』を発行しました。
上田耕一郎という元共産党副委員長を追悼して、44人が寄稿した本です。亡くなって3年になりますが、彼の考えは脈々と生きていることがわかります。松本善明、工藤晃、山中郁子といった元国会議員など共産党の幹部も書いていますが、ノーベル賞の小柴昌俊氏や元中央公論次長の橋本進氏などの寄稿もおもしろい。
故人は参議院議員を長く務めましたが、一番話題になったのは、かの田中角栄氏が地元の信濃川河川敷をめぐって暗躍した不正売買を糾弾した事件。
また、原水爆禁止運動が旧社会党と割れた後、再統一させる苦労など考えの違う人、団体との共同・協同をどう進めるかにたけた人でした。共産党の統一戦線論、めざす民主連合政府の基本路線を築いた人です。
共産党の不破哲三氏が実弟でも知られています。死ぬまで地域活動に従事し、どんな人にも膝を交えて交流したので、党内でも抜群の人気度でした。一部には「固い共産党」というイメージの人も、この本を読めば一新されます。
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