①原稿用紙とパソコン
最近はパソコンを使う人が増えています。この機器の利点はたくさんありますが、何より誰でも文章の保存、印刷などが容易になりました。特に文章を書く人には、順序の入れ替えや途中での加筆が簡単にできることです。
しかし、一流の作家でけしてパソコンを使用しない人もいます。理由は「流行ものには手を出さない」「機械に振り回されたくない」といろいろのようですが、よく耳にするのは「万年筆や鉛筆で書いていると、そのスピードのなかで文章が生まれてくる」といいます。
パソコンで入力する場合でも縦組み二〇字で書いた方がいいと思います。どこで改行するか、一センテンスの長さなどを意識して進めましょう。
自分が発表する予定の雑誌や新聞などの組み方で書くこともいいでしょう。特に予定がなければ市販の原稿用紙と同じく縦、二〇字を基本にしてください。
②漢字、数字、記号などの統一
文章を書く上で注意したいことがいくつかあります。
(ア)句読点をはっきり打つ。「。」なのか「、」なのかわからない文章を見かけます。句読点も文章の一つです。
(イ)漢字やかなを統一させる。
「行く」と書いたり「いく」としたり、「来る」とするのか「くる」と書くのか。一つの文章で使い方がバラバラにならないようにします。
最近の傾向は「漢字を開く」として、かなり、ひらがなを多用する傾向にあります。 これは好みの問題でしょう。
ただし、「かんじがわからない」と書くと「漢字」なのか、「感じ」なのか不明です。また、漢字の方がイメージや情景が浮ぶときもあります。「おどり子」と「踊り子」はどちらがいいでしょうか。
(ウ)踊り文字・繰り返し文字(久々、別々)は文体が古く感じます。なぜ「子供」でなく、「子ども」と書くのかなども知っておくといいでしょう。
(エ)数字も同じことです。最近はアラビア数字の123を多く使いますが、一二三でも一〇でも十でもいいのですが、必ず統一させること。
よく聞かれるのは年代の表記です。基本的には西暦で記すのが世界共通の表記ですが、元号の方が使い慣れている人もいます。その場合でもカッコで西暦を併記します。元号は天皇制の考えと主張する人もいます。
③改行とは
新聞の記事は一行一三字から一五字で組まれていますが、雑誌は結構まちまちです。同人誌などは二〇字前後が多いのは原稿用紙の関係でしょうか。
改行をどこでするかは自由で好みの範疇ですが、物語や場面の転換で基本的に改行します。
新聞では長くても一〇行以内がよいとされています。意識的に改行することを身につけます。ただし一~二行で改行するのは、逆に読みづらいもの、作家の宇能鴻一郎作品を参考に。
「です、ます調」と、「である調」に注意します。一つの文章で「そうです」としたり「そうである」とするのは統一がありません。「行きます」と「行く」も不統一です。